新型コロナウイルス感染拡大で生活形態が変わり、消費者ニーズも変化し続けた二年間。それを経て多くのソフトウェア開発組織はより長期的な目標を掲げてDevOpsプラクティスの採用を見直し始めました。快適なデジタルファースト体験に投資をする消費者が増えており、DevOpsを効果的に導入している組織は高い満足度で顧客を維持することができています。

対面活動が再開し、コロナ前の社会生活が戻りつつありますが、ハイブリッドまたはデジタルファーストの顧客体験は依然として強く求められています。例えば、観劇や食事のために出かける場合でも、チケットの購入やレストランの予約はまずオンラインで行います。また「オンラインで注文した品物を店先で受け取る」という買い物の方法もあります。よって企業は、チケット購入や予約受付、領収書発行などにいつでも対応できる新機能をアプリケーションやウェブサイトに組み込んで、この新しい生活形態に適応しなければ、貴重な顧客を競合相手に奪われてしまうことになるかもしれないのです。

顧客の好みに合わせた開発プラクティス

Deloitte調査では、2020年以前より、消費者の約78%がさらなる利便性を重視しており、利便性が購入を決める際の重要な要因となっていることが分かっています。オンラインショッピング機能や購入オプションの拡張が、2023年以降に顧客を魅了する大きな鍵となるでしょう。

競争の激しいこのデジタルファースト時代、2022年DevOpsにおけるテストの実態調査報告書に「高いベロシティのソフトウェアチームの顧客満足度が最も高い」と示されているのも当然だと言えるでしょう。560人のソフトウェアテスター、開発者、プロダクトマネージャー、エンジニアリングリーダーたちの回答から、DevOpsプラクティスでより良いユーザーエクスペリエンスを構築する際の大きな差別化要因は品質エンジニアリングと継続的デリバリーであることが分かりました。

本番環境のバグを削減しながらベロシティを向上する品質エンジニアリング

品質エンジニアリングは、DevOps CI/CD の導入といった重要な変革を実現するためにデザインされた品質管理(QA)の進化形です。「開発の早い段階で頻繁にテストを実行し、開発者、QA、および製品所有者が品質シグナリングを用いてカスタマーエクスペリエンスと開発プラクティスを改善できる環境を作る」としてテストに取り組む姿勢です。品質エンジニアリングへの移行に成功すれば、変化し続ける開発の方策消費者の求めるものに自信を持って適応できるようになります。

DevOps におけるテストの実態調査では、品質エンジニアリングプラクティスを採用しているチームは、デプロイ頻度が加速している傾向にありました。

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テストカバレッジは、多くのソフトウェアテストチームにとって成功度を測る基礎となる指標の1つですが、開発組織の迅速度を示す重要な指標でもあることが分かりました。テストカバレッジと開発速度の関連性を示す理由はいくつかあります。そのうちの1つは、テストカバレッジが、欠陥の調査やバグ修正作業などにおけるコラボレーションの改善につながっていることでした。非効率的な欠陥解決プロセスが原因で開発サイクルが遅れる可能性を考えると、開発プロセスのこの側面を改善することは、デプロイ頻度の改善につながります。

また、品質エンジニアリングの採用によって、ソフトウェア開発チームはより広くより正確なテストカバレッジを得ることができ、開発サイクルの早い段階でバグを発見できるようになります。「コードがメインブランチにマージされる前にバグを発見して顧客への悪影響を抑えている」と答えた回答者の割合は、テストカバレッジが高いチームが30%であったのに比べ、テストカバレッジが低いチームにおいてはわずか13%でした。また、テストカバレッジの高いチームはデプロイ速度が速く、バグが原因で不満足なユーザー体験を提供してしまう可能性は低くなっているということが分かりました。

継続的デリバリーで好きな時にいつでも変更可能

継続的デリバリーは、DevOps 導入とCI/CD の基礎で、デプロイまたはリリースプロセスに特有の摩擦を最小限に抑えることを目的としています。通常の導入は、ビルドデプロイの各ステップを自動化することで、いつでも安全なコードリリースをできるようにします。消費者にとっての利便性が変化するにつれ、継続的デリバリーをうまく採用しているチームは、迅速に対応できるという点で優位に立つことができます。DevOps におけるテストの実態調査では、組織のベロシティが向上すれば顧客満足度も向上するという相関性が示されています。

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しかし、報告書からも分かるように、この相関性は他の要素に影響されないものではありません。多くの場合、デプロイ頻度の増加は組織にとってのプラス要素であるものの、頻度が100% 以上増加したチームでは顧客満足度が低下しています。これによって、品質エンジニアリングを用いて、デプロイ頻度の増加が高品質のカスタマーエクスペリエンスに確実につながるように調整する必要があることが分かります。

写真アプリプラットフォームを提供するSmugMugは、品質を重視した継続的デリバリープラクティスをうまく採用している数少ない組織の一つです。コロナ感染拡大によって写真の保存や共有、販売の方法が大きく変化し、SmugMug開発チームは、品質エンジニアリングによって好きな時にいつでもデプロイを実行することができました。QA チームは自動テストを 425 個のテストに拡張し、ローカル実行、クラウド実行、CI/CD ヘッドレスパイプライン全体で、高速かつ一貫性のあるテスト実行を可能にしました。テストエンジニアは、ユーザーエクスペリエンス全体にわたる包括的なテスト戦略の一環として、自動化されたEEテスト、回帰テスト、およびAPIテストを導入しました。非常に動的なSmugMugのユーザーインターフェースのカスタマージャーニーは何百種類にもなり得ますが、チームは、顧客ニーズの変化に応じて継続的に更新をすることで、どんなユーザーエクスペリエンスでも自信を持って管理できる能力を持っています。

高品質のデジタルエクスペリエンスから生まれる顧客ロイヤルティ

SmugMugの継続的デリバリー導入事例から、品質チームが、実際どのようにテストカバレッジと品質エンジニアリングを活用しているのかをうかがい知ることができます。世界中の写真家に愛される主要なプラットフォームのリーダーとして、開発チームの全員が、どんなに消費者ニーズが変わったとしても、常にあらゆるユーザーに高品質の体験を提供できるように力を注いでいます。開発プロセス全体に品質エンジニアリングとソフトウェアテストを頻繁に取り入れることで、開発者、プロダクトマネージャー、QAは、ユーザーエクスペリエンスを測定できる指標を持つことができます。だだ、2022年DevOpsにおけるテストの実態調査からも分かるように、SmugMugだけが特別なのではありません。継続的デリバリーなどの開発プラクティスが顧客満足度へ与える影響力はますます大きくなっています。品質エンジアリングのユーザー関係や企業の成功への影響力を考慮しなければ、組織はやみくもに開発を前に進めてしまうことになるでしょう。

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